
SAMURAI SAKE — 歴史的背景
17世紀初頭、仙台藩祖・伊達政宗公は、自らの理想の酒を求め、当時最先端であった奈良・南都諸白の杜氏を、剣豪にして幕府の重鎮であった柳生但馬守宗矩の紹介によって仙台に招き、城内に御用蔵を築かせました。これが仙台藩御用蔵の始まりです。
御用蔵では清酒だけでなく、濁酒、果実酒、薬草酒、蒸留酒など三十種を超える多彩な酒が醸されていました。重要なのは、当時の酒は濃厚で芳醇、かつ熟成に耐える芯の強さを備えていたことです。だからこそ花の香りやハーブ、スパイスとの調和も可能で、三~四時間にも及ぶ饗応料理に最後まで寄り添える力強さが理想とされていました。 勝山は、この政宗公の理想に倣い、江戸期の米・麹・水のレシピを参照しつつ、現代の醸造理論と調理理論を融合させ、濃醇酒のイデアを追求し続けて参りました。
SAMURAI SAKE ― 味わいの本質
私たちが追い求めるのは、1970年代以降主流となった香り先行型の酒ではありません。1550年代から20世紀半ばまで四百年にわたり理想とされた「味わい優先」の芳醇酒です。口に含めば瞬時に旨味が広がり、同時に芳香が口腔を満たす。芯の強さを保ちながら、鋭い切れ味の喉越しを残し、さらに長い余韻が深い陶酔をもたらす これこそ、勝山の SAMURAI SAKE にしかない圧倒的な味覚世界です。
【味わいのポイント】
SAMURAI SAKE では旨味成分を通常の日本酒の 2倍・4倍・6倍 に設計しています。これにより、料理の旨味濃度に合わせて酒を選ぶという、ワインには存在しなかった新たなペアリング理論を提示しました。さらに、日本古来の「口内調理」の知恵を活かすことで、旨味同士が口中で重なり合い、かつてない奥行きと感動をもたらすペアリング体験をお愉しみいただけます。